
「管工事で建設業許可を取得したいが、必要な要件がわからない」
管工事での業歴が長いものの、複雑な申請手続きにより、上記のような悩みを抱えている建設会社の経営者は少なくありません。
そこで、本記事では、管工事業での建設業許可の取得支援実績がある弊事務所が、管工事で建設業許可を取得するために必要な要件について解説します。管工事で建設業許可を取得する際の注意点についても解説するため、参考にしてください。
そもそも管工事業とは?
管工事業は、給排水や衛生、冷暖房、空気調和などのための設備や、金属製などの管を使用して水や油、ガス、水蒸気などを送配する設備を設置する仕事を指します。
具体的には、次のような工事が管工事業に該当します。
- 冷暖房設備工事
- 冷凍冷蔵設備工事
- 空気調査設備工事
- 給排水・給湯設備工事
- 厨房設備工事
- 衛生設備工事
- 浄化槽工事
- 水洗便所設備工事
- ガス管配管工事
- ダクト工事
- 管内更生工事
上記以外にも、設置する機械器具によっては、機械器具設置工事ではなく、管工事に該当する場合があります。基本的には、家屋や施設といった建物以外の配管工事は、管工事に該当すると考えてよいでしょう。
管工事業で建設業許可を取得するための要件
管工事業で建設業許可を取得するためには、次の5つの要件を満たす必要があります。
- 経営業務の管理責任者
- 専任技術者
- 財産的基礎
- 誠実性
- 欠格要件の非該当
それぞれ解説するため、参考にしてください。
経営業務の管理責任者
許可申請者が法人の場合は常勤役員の中に、個人事業主の場合は申請者法人が、次の経験があれば経営業務の管理責任者の要件を満たせる可能性が高くなります。
- 管工事業を営む会社で5年以上の役員経験があること
- 管工事業を個人事業主として5年以上営んでいること
- 管工事以外の建設業を営む会社で5年以上の役員経験があること
- 管工事業以外の建設業を個人事業主として5年以上営んでいること
このうち、①に関しては、次の書面を提出することで証明します。
- 登記事項証明書または閉鎖事項証明書
- 経験期間中請け負った建設工事にかかる工事請負契約書、注文書または工事請負契約内容証明書を、経験期間のうち3年分
専任技術者
一般建設業では、次の資格を保有することで管工事の専任技術者の要件を満たすことができます。
①建設業法に基づくもの
- 1級管工事施工管理技士
- 2級管工事施工管理技士
②技術士法に基づくもの
- 機械 「流体工学」又は「熱工学」・ 総合技術監理 (機械「流体工学」又は「熱工学」)
- 上下水道 ・ 総合技術監理 (上下水道)
- 上下水道 「上水道及び工業用水道」・ 総合技術監理 (上下水道「上水道及び工業用水道」)
- 衛生工学 ・ 総合技術監理 (衛生工学)
- 衛生工学 「水質管理」 ・ 総合技術監理 (衛生工学「水質管理」)
- 衛生工学 「廃棄物管理」 ・ 総合技術監理 (衛生工学「廃棄物管理」)
③水道法に基づくもの
- 給水装置工事主任技術者+実務経験1年
- 冷凍空気調和機器施工 ・ 空気調和設備配管
- 給排水衛生設備配管
- 配管・配管工
- 建築板金「ダクト板金作業」
- 建築設備士+実務経験1年
- 計装+実務経験1年
④基幹技能者
- 登録配管基幹技能者
- 登録ダクト基幹技能者
- 登録冷凍空調基幹技能者
上記資格を持っていない場合でも、土木工学や建築学などの学科を卒業後、高卒であれば5年以上、大卒・高専卒であれば3年以上の管工事に関する実務経験があれば、一般建設業における管工事の専任技術者として認められます。
また、学歴と実務経験がない場合でも、管工事に関する10年以上の実務経験があれば、一般建設業における管工事の専任技術者として認められます。
財産的基礎
一般建設業では、金融機関の残高証明書等の提出を通じて、管工事の請負業務を履行するに足る財産的基礎または金銭的信用を有していることを証明する必要があります。具体的な要件は、次の3つで、いずれかに該当することを証明すれば問題ありません
- 自己資本の額が500万円以上であること
- 500万円以上の資金を調達する能力を有すること
- 許可申請直前の5年間許可を受けて継続して建設業を営業した実績を有すること
上記要件は、自己資金から負債を控除した額が500万円以上であることを貸借対照表を提出することで、証明することも可能です。ただ、残高証明書で法人口座に500万円以上の現預金があることを立証するほうが立証方法としては容易です。
誠実性
誠実性の要件は、許可の対象となる法人もしくは個人、建設業の営業取引で重要な地位にある役員などが次の要件に該当していないことで証明する必要があります。
- 建築士法・宅地建物取引業法等で「不正な行為」または「不誠実な行為」を行ったことにより、免許等の取消処分を受け、その処分の日から5年を経過していない場合
- 暴力団の構成員であること
- 暴力団により実質的な経営上の支配が行われていること
欠格要件の非該当
欠格要件の非該当性については、法務局で発行できる登記されていないことの証明書や、市区町村で発行できる身分証明書等の提出を通じて証明します。
ただし、適正な書類を提出しても、許可申請書や添付書類中に虚偽の記載があった場合や、重要な事項に関する記載が欠けている場合は欠格要件に該当するとみなされ、建設業許可を取得できません。
管工事で建設業許可を取得する際の注意点
管工事業で建設業許可を取得する際は、次のポイントに留意する必要があります。
- 注文書をしっかり保存しておく
- 工事施工額が500万円以上にならないよう注意する
- 工事区分に注意する
それぞれ解説するため、参考にしてください。
注文書をしっかり保存しておく
建設業許可を申請する前に、発注者から受け取った注文書はしっかり保存しておきましょう。
管工事業では、工期が短く、施工金額も小さい工事が発生する場合も少なくありません。その場合、わざわざ注文書を発行してもらうのは手間に感じるかもしれませんが、発注者には、建設業法第19条にのっとり、当事者間の合意内容を書面に残す義務があります。
この義務は数万円の小規模な工事でも適用されるため、注意しましょう。
工事施工額が500万円以上にならないように注意する
建設業許可を受ける前は、工事施工額が500万円以上にならないよう注意しましょう。建設業許可を受ける前に工事施工額が500万円以上の工事を受けてしまうと、建設業違反になってしまうためです。
いわゆる無許可営業を回避するためには、発注者に工事施工額を500万円未満に抑えてもらうことが大切です。なお、ここでいう工事施工額は消費税を含めた金額である点にも留意しておきましょう。
工事区分に注意する
管工事で建設業許可の申請をする際は、工事区分に注意しましょう。実際の建設現場では、管工事とほかの工事区分の境界が曖昧になる可能性が高いためです。
たとえば、空調設備やエアコンの設置工事では、冷媒配管やドレン配管の設置工事は管工事に分類される一方、電源の配線やコンセントの設置は電気工事に該当します。
また、ガス機器の交換工事では、単にガスコンロや給湯器などの機器本体を交換するだけで、配管工事を伴わない場合は、原則として管工事に該当しません。
このように工事によっては、管工事とほかの工事区分の境界の判断が難しい場合があります。誤った業種で許可を取得すると、建設業法違反になる可能性あるため、事前に行政窓口に相談しながら、工事内容を正確に把握しましょう。
松江市で管工事業の建設業許可の取得を検討されている方は、小村渉行政書士事務所にご相談ください
管工事業で建設業許可を取得するためには、まず請け負っている工事が管工事業に該当するか把握することが大切です。したがって、発注業者や建設行政の担当者と相談しながら、普段請け負っている工事が管工事に分類されるかをしっかり判断しましょう。
そのうえで、上記で解説した要件をクリアすることが大切です。特に専任技術者の要件のクリアが許可を取得するうえで一つのポイントになるため、要件を確実にクリアするために資格の取得をはじめとした準備を積み重ねましょう。
小村渉行政書士事務所では、管工事での建設業許可の取得支援の実績があります。経験をもとに支援させていただくことができるため、管工事での建設業許可の取得をご検討されている方は、小村渉行政書士事務所にご相談ください。
