農地法第3条許可とは?許可基準や許可を得るまでの流れも解説!

農地を耕作目的で、所有権の移転や贈与をする場合には、農地法第3条に基づく農業委員会の許可を受けなければなりません。この許可を受けずにした権利移転は効力が生じないとされています。

しかし、農地法第3条許可を検討されている方のなかには、この許可が何なのかご存じない方も少なくありません。

そこで、本記事では、農地法第3条許可の定義や許可基準について解説します。農地法第3条許可を得るまでの流れについても解説するため、参考にしてください。

農地法第3条許可とは?

農地法第3条許可とは、農地の耕作を目的とした売買や贈与、貸借などに先立ち、市町村に設置された農業委員会の許可です。この許可を得ないでした売買や贈与、貸借などは無効となります。

ただし、農業経営基盤強化促進法に基づく農用地利用集積計画(利用権設定等促進事業)による場合、農地法第3条の許可を得る必要はありません。

農地法第3条の対象と対象外

農地法第3条の対象と対象外(許可が不要なもの)の権利移動は次のとおりです。

農地法第3条の対象農地法第3条の対象外
所有権
地上権
質権
使用貸借による権利
貸借権
相続(届出は必要)
法人の合併・分割
時効取得
裁判や調停
利用権設定による賃貸借

出典:御代田町「農地の権利移動(農地法第3条)

農地法第3条許可を受けないとどうなる?

前述のとおり、農地法第3条許可を受けずにした売買や贈与などの権利移動は効力が生じません(農地法第3条第6項)。つまり、無効です。

さらに、罰則として、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が申請者やその利害関係者に科されるおそれがあります(農地法第64条第1号)。

農地法第3条の許可基準

農地法第3条の許可を受けるためには、次の要件をすべて満たす必要があります。

全部効率利用要件申請農地を含め、所有している農地または借りている農地のすべてを効率的に耕作する要件です。世帯員などの労働力や農業用機械の所有状況、農業経験などを総合的に勘案し、農地取得後に効率的に農業経営できるかが判断されます。
農作業常時従事要件申請者または世帯員などが農作業に常時従事する要件です。この要件を満たすためには、申請者または世帯員が原則として必要な農作業に年間150日以上従事する必要があります。
地域との調和要件申請農地の周辺の農地利用に影響を与えないことを約束する要件です。この要件は、水利調整に参加しない、無農薬栽培の取り組みが行われている地域で農薬を使用するなど、農地の集団化や農作業の効率化に生じさせるおそれがある場合は充足できません。

出典:さいたま市「農地の売買、贈与、貸借等の許可(農地法第3条)

農地法第3条許可を得るまでの流れ

①農業委員会事務局の窓口で事前相談する

まずは市町村の農業委員会事務局の窓口で、許可基準を満たしているか事前相談をします。事前相談は電話でも可能ですが、できれば事務局に直接出向いたほうがよいでしょう。

また、申請書類ができた後は、事前に事務局の職員にチェックしてもらうことをおすすめします。

②申請書を農業委員会事務局に提出する

    書類に不備がない場合は、農業委員会事務局に申請書類を提出します。提出が必要な書類の一例は次のとおりです。

    申請書
    周辺見取図
    公図写し
    土地の登記事項証明書
    譲渡人の印鑑証明書
    譲受人の住民票
    土地評価証明書
    住民票

    ③申請内容の審査を受ける

      申請書類を提出した後は、審査が行われます。審査では、農業委員が現地調査を実施します。

      現地調査や書類の内容を踏まえ、農業委員会月例総会で許可・不許可の意思決定が行われます。

      ④許可書の交付を受ける

      許可が下りたら、許可書が交付されます。原則窓口で受け取る必要がありますが、譲渡人と譲受人に許可書を送付してくれる自治体もあります。

      松江市で農地法第3条許可の申請をご希望の方は行政書士にご相談ください

      農地法第3条許可は、地目変更を伴い、許可権者が都道府県知事となる第4条許可と第5条許可と比べて、許可基準が厳しいわけではありません。

      しかし、申請書類に不備があると、申請が不許可になるおそれがあります。また、申請者によっては、複雑な申請書類を作成できない方もいるでしょう。

      このように農地法第3条許可は複雑な行政手続きの一つです。そのため、農地法第3条許可でお困りの方は、行政書士に相談されることをおすすめします。